航空機の墜落事故で生き延びるには

航空機の墜落事故で生き延びるには

航空機のフライト事故で死亡する確率は、わずか900万分の1です。フライト中、地上33,000フィート(10,058.4m)で問題が生じることは多々あります。不運にもその航空機に乗ってしまった場合、そこでの判断が、あなたの生死を分けることになります。実際、墜落事故の95%のケースで、生存者はいます。ですから、もし最悪の事態が起こったとしても、生存の可能性はあります。ここでは、安全対策の方法、事故が起こった際に冷静でいること、事故後の行動についてのアドバイスを記載しています。

■パート1
安全のための準備

1.快適な服装で搭乗してください。

航空機墜落事故で生き延びるには、体を温かく保つ必要があります。また、墜落の際、体が覆われていると、重傷や火傷を負いにくくなります。長ズボンを履き、長袖のTシャツを着て、丈夫で快適な紐靴を履いてください。

•ルーズな服、または装飾をこらした服は、航空機内の障害物にひっかかる恐れがあります。寒冷地を飛行するのであれば、寒い場所でも耐えられる服を着ておき、ジャケットは膝上においておくと良いでしょう。

•燃えにくいコットンまたはウールの素材でできた服を着用するのもよいでしょう。海上を飛行する場合は、海上に不時着して水に濡れた際でも、ウールのほうがコットンよりも保温性は高いので、ウールを着ておくと良いでしょう。

2.動きやすい靴を履いてください。

フライトでは、快適さや恰好良さを求めてサンダルやハイヒールを選びがちですが、非常時にこのような靴を履いていると動きにくくなります。また、脱出スライドを使用する際にはハイヒールの着用が禁止されています。また、サンダルを履いていると、ガラスで足や足の指をけがをしたり、可燃性の液体が付着したりすることもあります。

3.航空機の後部席に座ってください。

航空機事故時、航空機の後部席に座っている乗客は、最前列付近に座っている乗客よりも、40%も生存率が高くなります。すぐに航空機から脱出できると生存率が高くなるので、できるだけ非常出口に近い席、通路側、そして、航空機の後部に座るのが良いでしょう。

•つまり、ファーストクラスよりもエコノミーを選ぶほうが、統計的には安全ということです。旅費を抑えつつ、安全も確保しましょう。

4.安全のしおりを読み、離陸前の安全に関するアナウンスを聞いてください。

安全に関するアナウンスは、今までに何度も聞いたことがあるかもしれませんし、必要になる事はないかもしれません。しかし、離陸前の安全に関するアナウンス中に、ヘッドフォンをつけて別のものを聞いていたり、安全のしおりを読まないでいたりすると、いざという時に必要な情報を得ることができません。

•このような安全に関する情報は、すでに知っていると思ってはいけません。航空機のタイプによって、安全手順は異なります。

•非常ドアの列に座っている場合は、まさかの時のために非常ドアの開け方を確認しておいてください。通常、フライト・アテンダントが非常ドアを開けますが、フライト・アテンダントが死亡、負傷している場合は、あなたが非常ドアを開けることになります。

5.あなたの席から非常ドアのある列まで、何列あるかを数えておきましょう。

自分の席から一番近い非常ドアを確認し、そこに行き着くまで何列あるか数えておきます。不時着後、機内は煙が充満したり騒がしくなったりして、状況が混乱するおそれがあります。機内から脱出しなければならない場合、非常口まで手さぐりで辿り着かなければならない事ともあります。ですから、事前に非常口の場所と、自分の席から非常口までの距離を把握しておくと、万一の場合、逃げやすくなります。

•非常口まで何列あるかペンで手に書いておくと、必要なときにすぐに確認できます。

6.常にシートベルトを着用しておいてください。

航空機墜落事故の時には、シートベルトが数センチたるんでいるだけでも、体にかかるG重力が3倍になります。ですから、機内では、常にたるみのないようにシートベルトを着用してください。

•できるだけベルトを腰骨付近まで下げてください。腰骨の上端が、ベルトの上端より上になるようにしてください。こうすることで、緊急時に、柔らかい腹部にベルトがあるよりも、しっかりとあなたの体を支えることができます。

•機内で寝ているときにも、ベルトは着用しておいてください。寝ている間に突然問題が生じたら、ベルトを着用していて良かったと思えるでしょう。

■パート2
衝撃に備える
1.状況を把握してください。

航空機がどこに不時着するかを見極め、自分は何をすべきか心の準備をしておきます。例えば、水上に不時着する場合は、救命胴衣を着用すべきでしょう。ただし、脱出するまでは、救命胴衣を膨らませないでください。寒冷地に不時着しそうなら、ブランケットやジャケットなど、機外に出た後、体を温かく保てるようなものを入手します。

•前もって通常の航空機飛行コースを把握しておいてください。そうすることで、航空機事故が起こった際に、航空機がどのあたりを飛んでいるのか推測できます。もし、アイオワからカリフォルニア間を飛行しているならば、海には不時着しないということが予想されます。

•墜落する前に、非常口を探しておいてください。航空機が墜落しそうな場合は、墜落の衝撃に備えるため、おそらく数分間あるはずです。この時間を使って、非常口はどこにあるか再確認しておいてください。

2.可能な限り、自席スペースで準備をしておいてください。

航空機が不時着することが分かっている場合は、シートの背もたれを元の垂直位置に戻し、散乱すると危険な物をしまいます。 ジャケットのジッパーはしっかりと閉じ、靴もきちんと履いておきましょう。そして、航空機が不時着する際の標準姿勢の2つのうち、どちらかの姿勢をとり、落ち着いてください。

•どちらの姿勢をとるにしても、足の裏をしっかりと床につけてください。そして、足への負傷を軽減するため、足の位置は、膝よりも、後ろにくるようにしてください。墜落後、機内から脱出するには、足を傷つけないようにしておく必要があります。足のすねの骨を折らないようにするため、足はできるだけシートの下に入れ込んでください。

3.前の座席にもたれかかり、自分の体を支えてください。

前の座席に手が届くようであれば、背もたれの後ろ側に、片手の手の平を下にして置きます。そして、その上に、もう片方の手を手の平を下にして重ねます。おでこを両手で支えましょう。その際、指同士を絡めないようにしてください。

•場合によっては、直接、頭を前の座席にあてて、手の指を組んで頭の後ろに置き、腕で頭を抱え込むように防護する体勢が推奨される場合もあります。

•前に座席が無い場合は、前かがみになってください。もし、前の席が遠いところにある場合は、前かがみになり、胸部を太ももに付け、頭を膝の間に入れてください。そして、ふくらはぎの下あたりで手首をクロスさせて足首を掴んでください。

4.冷静を保ちましょう。

航空機墜落の直前、直後の大混乱の中、我を忘れてあたふたしてしまいがちですが、冷静を保ってください。冷静になることで、生きのびる確率も高くなります。最悪の事態であっても、生き延びるチャンスはあると意識しておいてください。そして、その生存のチャンスを最大限に生かすため、 理性的に、そして系統的に物事を考えてください。

5.航空機が水上に不時着した場合は、救命胴衣を着用してください。ただし、機内では膨らませないでください。

機内で浸水が始まった場合、機内で救命胴衣を膨らませていると、救命胴衣が浮いて、機内の天井に体が押し付けられるため、泳いで非常口から脱出しにくくなります。救命胴衣は膨らませず、そのまま息を止めて泳いで機内から脱出し、その後、救命胴衣を膨らませるようにしてください。

6.先に自分の酸素マスクをつけてから、他の人を手伝ってください。

旅客機に乗るたびに、この手順について聞かれているとは思いますが、繰り返し聞いておく価値はあります。客室の気密性が保てなくなると、15秒後以内に酸素マスクを装着する必要があります。それを過ぎると、意識を失ってしまうからです。

•まずは自分の子供や、隣に座っているお年寄りを助けたいという気持ちが働くかもしれません。しかし、自分が意識を失ってしまっては、だけも助けることはできません。また、他の人が意識を失ったとしても、あなたに意識があれば、その人にマスクをつけてあげれば、命を助けることもできます。

■Part3
墜落時に生き延びる
1.煙に巻かれないようにしてください。

墜落時の死亡原因の多くが、火災と煙によるものです。航空機火災で発生した煙は、非常に濃く、高い毒性を持つので、吸い込まないように口と鼻を布で覆ってください。濡らした布を使うと、さらに煙から身を守ることができます。

•脱出する際は姿勢を低くし、煙の少ない低い場所を身をかがめて通るようにしてください。煙など、たいしたことではないと思われがちですが、非常時に最も危険な事の1つとして、煙を吸って意識を失うケースが挙げられています。

2.できるだけ早く機内から脱出してください。

米国の国家運輸安全委員会は、航空機墜落の死亡原因の68%が、墜落での怪我ではなく、墜落後の火災であると報告しています。つまり、迅速に機内から脱出することが大切だと言えるでしょう。万一、火災や煙が発生しているならば、通常、航空機から安全に脱出できるのは、2分以内です。

•脱出しようとしている非常口の安全を確認してください。窓から外を見て、非常口の外に火災または危険物がないかを見極めてください。もし、危険であると判断されれば、反対側の非常口か、その他の非常口から脱出を試みてください。

3.墜落後、客室乗務員の指示をよく聞いてください。

客室乗務員は、航空機墜落時の対応に関して、厳しいトレーニングを受けています。航空機客室乗務員が指示やサポートができるようであれば、しっかりその指示を聞き、協力して、乗客全員の命をつなぎましょう。

4.手荷物は、持って逃げないでください。

手荷物を持って脱出しないでください。当たり前のことではありますが、それを分かっていない人もいます。すべての手荷物は機内に残して逃げてください。手荷物を持っていると、逃げるのが遅れてしまいます。

•墜落現場から回収しなくてはならない荷物があるとしても、それは後から考えてください。脱出時は、墜落機から脱出し、安全な場所を探すことだけに集中してください。とにかく、迅速に脱出してください。

5.墜落機の風上500フィート(152.4メートル)の場所まで逃げてください。

僻地に墜落した場合、航空機の近くに留まっておくのが、通常、一番良いとされています。ただし、航空機に近づきすぎないでください。事故後、火災や爆発がおこることもあるので、航空機から少し距離をおいた場所にいてください。水上に不時着した場合は、泳いで、できるだけ航空機から離れてください。

6.一か所に留まってください。

ただし、周りの状況に注意しておいてください。墜落後も、冷静でいることが大切です。また、行動するタイミングを見計らい、素早く行動しましょう。苦しんでいる人を助け、可能な範囲で、基本的な応急処置をおこない負傷者をケアしてください。

•可能であれば、自分自身の傷の手当てをしてください。切り傷や擦り傷は無いか確認し、必要があれば、圧迫して止血してください。一か所に留まり、内蔵損傷を悪化させないでください。

•ネガティブ・パニックは、その状況に、積極的かつ適切に対応できなくなる反応です。例えば、出口に向かうことなく、自分の席に留まり呆然としているような場合です。あなたの仲間が、このような反応を示していないか気をつけておいてください。

7.救助を待ってください。

その場にじっとしているほうが、生存率ははるかに高くなります。助けを求めて歩き回らず、墜落現場の近くで留まれる場所を探してください。乗っている航空機が墜落した場合、救助はすぐにやってきます。救助隊が到着した時に、すぐそばにいるほうが良いはずです。その場にじっとしていてください。

■コミュニティQ&A
Q1.誰にも連絡がとれないような状態で、航空機が墜落したらどうすればよいですか?
A1.墜落した航空機から、安全が確保できる場所に留まってください。まれなケースを除き、墜落事故のほとんどのケースでは、航空管制塔が素早く墜落場所と時間を判別できます。

航空機墜落事故現場から離れたところにいた生存者が何をして生き延びたかが書いてある本を読んでみるのも有益かもしれません。あらゆるシナリオを考えるよりも、実際の経験から学ぶほうが、良いと思われます。

Q2.もうすぐ航空機に乗らないといけないのですが、怖くて仕方ありません。どうしたら良いですか?
A2.航空機に乗るのが怖い人は多くいます。そして、その恐怖を乗り越える人も多くいます。「航空機に乗る恐怖を乗り越えるには」のページを読んでみるのも良いでしょう。

Q3.赤ちゃんを連れている場合、どうしたら良いですか?
A3.緊急姿勢を取るよう指示されたら、赤ちゃんのシートベルトがしっかりと締められているか確認してください。航空機が墜落すると、色々なことが起こります。そして、あなたも重度の怪我をするかもしれません。もし、意識があって動けるようであれば、迅速に赤ちゃんを抱き上げて、客室乗務員の指示に従い、脱出を試みてください。もし、重度の怪我を負い、動けなかったり、赤ちゃんを抱き上げられなかったりする場合は、助けを求めてください。あなたと赤ちゃんを助けてくれる人はいるはずです。また、生き延びようとする本能や親としての本能も働くはずです。しかし、パニックに陥ったり、廻りの状況をシャットダウンしたり、混乱してしまい、反応が鈍くなることも考えられます。

Q4.海上に不時着すると、航空機は爆発しますか?また、航空機に乗っている間ずっとパニックになっている場合、ジンクスで航空機が墜落し生き延びることができなくなりますか?
A4.旅客機の燃料は圧縮されているので、海上でも大きくな爆発となり得ます。
ジンクスは、単に迷信です。パニックになると、フライトが耐えられなくなりますし、車の事故の死亡率に比べると、航空機墜落事故での死亡率はかなり低く、非常に無意味なことであると言えます。実際のところ、空港まで車で行く時のほうが、事故にあって死亡する確率は高いのです。パニックになることと、緊張することは違います。緊張するということは、思慮深いということであり、パニックになると言う事は過剰反応であるということです。パニックになる場合は、セラピーに通うことをお薦めします。

Q5.海上に航空機が不時着したら、機内に海水が入ってきますか?
A5.もし、ドアが水面下で開いている場合、もしくは機体に穴が空いている場合は水が入ってきます。そうでない時は、水は入ってきません。

Q6.地面に不時着したらどうなりますか?
A6.客室時用務員が緊急脱出口を開け、シューターが出されます。ここから、滑り降りて脱出します。

Q7.ファーストクラスには、特別なシートベルトはありますか?
A7.はい。機内のすべての客席に、シートベルトが設置されている必要があります。3つ以上の席にシートベルトが無い場合は、NTSBコードの違反となります。

Q8.他人の救助を試みるべきですか?
A8.あなたが非常用ドアを開けた場合、海上に不時着した場合を除き、できるだけシューターの近くに立って、滑り下りて来た人を支える手伝いをしてください。機内で、大切な人を探さないでください。みんなの迷惑になりますし、死亡率も上がってしまいます。

自分用のパラシュートを持っておき、地面にぶつかる前にジャンプして脱出したらどうなりますか?
空中で航空機が爆発した場合は、それも可能かもれません。しかし、ジャンプして脱出するには、非常ドアを開ける必要があります。パラシュートが使えるくらいの高度でドアが開けられてしまうと、固定されていない物や乗客が、機外に投げ出され、多くの人が死亡するおそれがあります(自分さえ生き延びられたら良いのでしょうね?)。また、高度が低い時には、ドアを開ける事もできるでしょうが、パラシュートが開く前に、体が地面に打ち付けられるでしょうから、恐らく無意味です。つまり、航空機が上空で爆発または大破して穴が開いてしまった時に、既にパラシュートを背負っている状態でなければ、旅客機ではパラシュートの準備は、基本的に無意味です。

航空機が不時着しても爆発しないことはありますか?
はい。もし、安全に不時着できれば爆発しません。通常のように着陸しても、その着陸場所が予定している場所(空港)で無い場合もあります。その場合、機体が大きく揺れるので覚悟しておいてください。

海上に不時着したらどうなりますか?
できるだけ落ち着いてください。そして、救命胴衣を装着して脱出したら泳いで、できるだけ機体から離れてください。機体が海に沈む時に、大きな渦ができるので、その渦に巻き込まれないようにするためです。

私の母が亡くなったり、怪我をしたりしたらどうしたら良いですか?
お母さんが怪我をしていたら「助けてください!救急隊、来てください!」と叫んでください。もし、お母さんが亡くなられていたら、その場を離れてください。そうしないと、あなたも脱出が遅れて死んでしまいかねません。大きく息を吸って、これからもお母さんは、いつもあなたの側にいると考えましょう。

上空で航空機が爆発した場合、生き延びられるチャンスはありますか?
生存のチャンスはわずかではありますが、以前、そのような状況でも生き延びた人はいます。上空で機体が大破すると、高度11,000フィートで乗客は座席ごと機外に投げ出されてしまいます。しかし、1人の女性は腕と足の骨折はしたものの、生き延びることができました。

航空機が地面に墜落して爆発したら、どうなりますか?生き延びることはできますか?
生存率は、おそらく25パーセントです。座席の場所や、機体のどこで爆発が起こったか、そして、爆発による爆風や火災の影響を受ける前に、脱出できる場所にいるかどうかによって、生死が分かれます。爆発による威力で、内臓に力がかかりすぎる場合もありますし、爆発で金属片が飛んでくるなど、直接的な被害を受けなくても、心臓発作で亡くなることもあります。

救助が来なかったら、どうしたら良いですか?
救助は来ます。航空管制(ATC)は常にパイロットと連絡を取り合っており、レーダーで飛行経路を表示させています。もし、墜落した場合、航空機はレーダーから消えるので、すぐに航空管制が気付きます。そして、迅速に救助隊を派遣します。

航空機が、上空で爆発したり、大破したら、どうなりますか?
このような事態は映画でしか起こりません。上空で機体が爆発すると、あなたは機体から落下し、その衝撃で、ほぼ間違いなく死亡します。どうする事もできません。

海上に墜落したら、サメやその他の海洋生物に食べられてしまいますか?
その恐れはありません。それよりも、海上に投げ出されると、低体温症になったり、おぼれたり、負傷箇所からの大量出血などで、死に至る確率のほうが高いと言えます。

海上に不時着した場合、どうしたら良いですか?爆発しますか?
いいえ。その恐れはありません。しかし、航空機の部品割れることがあります。航空機に筏があったり、泳げるようであれば、脱出しても良いでしょう。

私ひとり生き残ったら、どうしたら良いですか?
海上に墜落したならば、筏を探してください。陸に墜落した場合は、できるだけ早く機体から離れ、緊急サービスを呼んでください。

航空機に、非常出口が無い場合がありますか?
ありません。旅客機のすべてに、非常出口が設けてあります。気になるようでしたら、空港に電話をして、非常出口についての情報を入手してください。

航空機が、まっさかさまに海に墜落しているようならば、どうしたら良いですか?
救命胴衣を掴み、シートベルトをしっかりと締めて、墜落に備えてください。ある程度の高さから水に衝突すると、水もコンクリートのような固さに感じられます。

航空機は、水に浮かびますか?
海上に不時着すると、機体が折れてしまうことが考えられます。航空機の重い部品は、海に早く沈みます。しかし、軽い部品である、翼などは水に浮かびます。機体が折れていない場合は、重いエンジン部分から水中に沈んでいきます。

ヒント
• 「何も持たずに脱出すること」というルールには、ひとつ例外があります。それは、ジャケットまたはブランケットは持って脱出したほうが良いということです。ただし、墜落時に、ジャケットやブランケットが、手元にある場合のみ、持って脱出してください。きちんと服を着ていることが、あなたの命を救うことにはなりますが、もし、服を探したりする時間がかかるくらいならば、機体からすぐに脱出することを優先してください。
• 荷物は、自分の席の前のシート下に置いておきましょう。こうすることで、墜落時にシート下に置かれている自分の足が折れるのを防ぎます。
• 心臓が悪かったり、呼吸に問題があったりする場合は、航空機に乗らないでください。
• 墜落に備える時間が無い場合は、色々な指示を忘れてしまいます。そんな時は、シート背もたれのポケットに入っている安全のしおりに書かれている最も重要な情報を参考にしてください。
• 落ち着いてください。落ち着けば落ち着くほど、状況は良くなります。
• 頭を守るための枕や柔らかい物があれば、墜落時にそれを使ってください。
• とがった物、ペン、鉛筆などは、墜落前にポケットから取り除いてください。もし可能であれば、持って搭乗しないほうが良いでしょう。固定されていない物体は、墜落時に飛散して、命を脅かすものになり得ます。
• 海上に不時着する際は、入水する前、もしくは直後に、靴や余計な服は脱いでください。これで、泳ぎやすくなり、浮かびやすくなります。
• 墜落した後、シートベルトの外し方が分からなくなる人が多いです。簡単に外せると思いがちですが、意識がもうろうとしている中で、本能的にシートベルトを外す際、車のシートベルトと同様にボタンを押して外そうとすることが多いようです。シートベルトが外せないと、パニックに陥りやすくなります。墜落前に、どうやったら素早くシートベルトを外せるかを確認しておきましょう。
• 他の人を助ける前に、自分自身の安全を確保してください!
• 航空機が完全に止まるまで、緊急姿勢は保ってください。衝撃は一回だけでなく、続くこともありますし、機体がバウンスすることもあります。
• 自分の酸素マスクを先につけてから、他人を手伝いましょう。他人を助けようとして、自らを犠牲にしないでください。
• 水がなくて、布を湿らせることができない場合(煙の吸入を防ぐため)、自分の尿を使う事もできます。緊急事態には、そのような無作法も許されます。
• 指示を聞いて、余計なことは考えないでください。余計なことを考えると、命を危険にさらしてしまいます。客室乗務員の指示に従い、安全が確保され、指示が出されてから立ちあがってください。
• 携帯電話を持っていれば、緊急サービスに電話してください(アメリカ国外では、番号が違いますので注意してください)。
• 前席シートの下に、足を入れないでください。金属のクロスバーが折れると、あなたの足の骨が折れることがあります。

一般社団法人 日本防災教育訓練センターでは、航空機の墜落事故で生き延びるための具体的な対処法などの事態対処術も指導いたしております。

ご興味がある方は、下記からお問い合わせいただくか、電話03-6432-1171、または、info@irescue.jpまでご連絡ください。

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一般社団法人 日本防災教育訓練センター
代表理事 サニー カミヤ
~助かる命を助けるために!~
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メール:info@irescue.jp
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