テロ遭遇時に生き延びるための10ステップ
テロ攻撃にあう確率は、わずかかもしれません。しかし、これらの10のルールを知っていれば、きっとテロ遭遇などの緊急時に役立つと思います。
ラミングアタックテロなど、複数手段によるテロ攻撃。2015年11月13日にパリで発生したようなテロの発生率、死亡率は高くなっています。各国の当局は、住民を守るためにさまざまな努力をしていますが、武装した警察官らが到着するまで、私達は自分自身をどのようにテロリストから守れば良いのでしょうか。
(出典:「Special Report: London Terror Attack」/Youtube)
他の国と比較した場合、日本国内でのテロの発生率はまだ低いのですが、そのリスクは大きくなってきています。特に個人的な思い込みによる動機のローンウルフ型テロ、テロ組織のオンラインによる具体的な爆弾の作り方など、テロ手法を次々に公開し、若者を感化し続ける「新しいテロ (マインドテロ)」は、他の犯罪よりも重大事件となる傾向があります。
さらに、グローバリゼーションが推し進められ、国境を超えたり、旅行したりすることも簡単になり、都市化、余暇の充実、技術やイデオロギー、スキルの悪用などが広まってきたため、私達が危険にさらされるリスクも大きくなっています。私達は、このようなリスクに晒されているので、きちんとした予防措置が考えすぎだとは思わないでください。予防措置は、どのような緊急事態にも適用できるからです。
1、リスクに晒される
テロリストが、あなたを個人的に標的にするというほど、あなたは重要人物ではなく、偶然テロリストの標的になることはないかもしれません。しかし、テロの危険にさらされていると心配するのであれば、政治的、経済的または宗教的に意義深い場所、人が多く集まり、警備が不十分な場所には行かないようにすることです。
最近のテロリストは、人々が心地よいと感じる場所で恐怖を与えようと、重要な場所において、できるだけ多くの人を殺そうとしています。
同時に、議会、金融機関、国際スポーツの試合、メジャーなアーティストのコンサート会場などは、警備が厳しくなっています。テロリストは、地方の裁判所、町役場、学校、劇場、ショッピングセンター、レストランなど、人が多く集まるけれど、警備はきびしくない、中程度の重要性を持つ場所を標的にしています。
このようなテロリスト狙われやすい場所での滞在時間を短くすることで、テロリスクを最小限に抑えることができます。たとえるならば、道路にいる時間を減らすことで、交通事故に遭うリスクを最低減に抑えることができるのと同じです。
2、出口
人が多く集まる場所に行く場合は、一番早く外に出られて、幅が広く、電気式自動ドアでない出口を特に確認しておいてください。普段から、建物に入る時に、そのような出口を確認する癖を付けておくと、緊急時にわざわざ探す必要がありません。
混雑したり、電気が通じなくなったりする事もあるので、エレベーターやエスカレーターは使用しないでください。階段だけを利用してください。階段が数か所に設置されている場合は、使用頻度が高く便利であっても、狭い階段を使わず、建物のメイン階段を使用してください。
3、練習
特定の場所に何度も行く場合は、最も安全なルートで出入りするように練習してください。こうすることで、自らのテロ対応訓練にもなります。もし、逃げなければならない場合は、単純にその建物に入ってきたルートで脱出しようとしたり、人々が逃げる流れに混じって脱出したりしないでください。テロの脅威となるものが道を阻むことがない限り、事前に評価した一番安全な出口を使うようにしてください。
4、迷わず行動する
テロ等の脅威を特定したら、すぐに逃げてください。その他の行動は考えないでください。言い換えれば、他の事を考えず、ただ逃げるための行動を起こしてください。逃げるときにテロによって何が起こるかを考える時間はありません。テロ発生時、何もできず呆然とする人もいますが、このような人は、思考回路がパンクしてしまっているのです。そして、テロ発生後、何が起こっているのかを、知ろうとする人もいます。そして、なにも決断できなくなるまま、パニックに陥る人もいます。
テロ等緊急事態に対応できると自信を持てるならば、すぐに行動してください。自分が立てたテロ等緊急時の対応プランに従い、できるだけ早く、もっとも安全な出口から脱出してください。混雑した場所から、自分が離れる事で、他の人達も逃げやすくなります。後に、この行動が他の人を助けたと思えるでしょう。
5、物陰に隠れる
もし、テロリストから逃げる事ができないのであれば、強固な物の陰に隠れて伏せてください。理想を言えば、補強コンクリートや石積みの陰が良いでしょう。映画で見た事はすべて忘れてください。テーブルや車、木くずの圧縮板で作った壁、厚紙の壁、電化製品や家具などには頼らないでください。但し、落下物から身を守ったり、視界に入らないように隠れるという意味では、有効です。
また、金属だからと過信してはいけません。建物や車に使われている金属は、柔らかいアルミニウムまたは軟鋼の薄いシートでできており、弾丸が簡単に貫通しますし、爆風で吹き飛ばされ、二次的凶器となることがあります。
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窓から離れてください。爆発時には、窓ガラスは簡単に吹き飛び、何百ものガラス片が飛散します。防弾壁となるのは、補強された石積みまたはコンクリートで作られた7-8センチの厚さの壁です。石積みまたはコンクリート製の壁の多くは耐荷重性でも6センチの厚みしかありませんし、非耐荷重性の壁は、6センチ以下の厚みしかありませんし、その材質も劣っています。
たとえ材質が防弾性であったとしても、パネルや石積みの接合部から銃弾が貫通することもありますし、コーナー部で跳ね返ることもあります。
さらに、人を殺傷する威力を維持しながら、跳ね返ることもありますし、爆風によって、頭上にかかっているものが外れることもあります。ですから、あらゆる方向から身を守る必要があることを知っておき、過信しないようにしてください。
地面に伏せた姿勢を続けてください。立っていると、水平方向に移動する飛散物に対して、より多くの表面積を晒すことになります。爆風の方向は上向きになることが多く、構造物が崩れても、あなたの周りにあるものが、壊れたものを支えてくれることもあります。
6、隠れる
頑丈な物陰がみつからないとしても、テロ犯人の視界から隠れてください。良い隠れ場所を見つけた場合は、バリケードをたてて身を隠し、安全であれば当局に携帯電話などで連絡を取り、助けが来るまで辛抱強く待ち続けてください。
そして、当局の人間だと偽るテロ犯人にも注意してください。大衆文化においては、現代のテロ等多発攻撃について「同時」または「組織的」という表現を使っています。まるで、数秒から数分の間にテロ攻撃が終わるように思えますが、テロリストは同じエリアで異なる人を攻撃するか、場所を移動するので、実際は数時間にわたって連続的に起こります。
パリのStade de Franceでは、最初の爆発から2回目の爆弾が20分後に爆発しました。そして、最初の爆発から約60分後に、3回目の爆弾が爆発しました。パリの中心部にいた銃撃犯は、最初の自爆犯から200分間、仲間のテロリストが銃撃していました。テロリスト達は、夜通し逃げ続け、なかにはかなり後になるまで逃げ続けたテロリストもいました。
7、逃げる
隠れている間に、出口を特定してください。テロリストが油断したり、弾を装填する間、急いで出口に向かってください。テロリストに見つかったり、人質になると、命にかかわることが殆どです。あなたを助けるため、または犯人に対峙するため、当局の人員が現れた場合は、両手を広げて上に上げ体から両手を離します。可能であれば、手のひらを見せた状態でテロリストがどこにいるかを示し、口頭で伝えてください。当局の指示に従い、その場から脱出してください。
8、離れる
脱出したら、当局の指示に従い安全な場所に移動するか、自分とテロリストとの間に距離を保つか、テロリストがいる場所から高いビルを挟んだ場所に移動してください。まわりに何もない場所に立ち止まらないでください。爆風や爆風による飛散物、銃弾は1キロ飛ぶこともあり、人を死に至らしめるほどの威力を持っています。
テロリストは、生存者が最初の攻撃から逃げ出す際のルートに2回目の攻撃をしかけることがあります。当局の助けが来るまで、人で込み合っている場所からは離れてください。そして、当局に何を見たかを落ち着いて話してください。あなたが見たものを正確に伝えることができれば、他の人の命を救う事ができます。その際、テロに遭遇した話に尾びれをつけたり、想定したり、大げさに行ったり、話を作ったり、想像したりするのはやめてください。不正確な情報提供により、時間を無駄にしたり、誤った指示を出しかねません。
9、安全を確保する
セキュリティ担当者が、その場所が安全で、あなたをテロリストと誤認識しないことが確実になるまでは、テロ攻撃の現場で、何が起きているのかを確かめるため、そして他の人を助けるため、安全な場所から離れようとしないでください。
10、戦う
出口もなく、隠れる場所もなく、脅威から逃れることができない場合は、手に入るあらゆるものを使い、そして周りの人達にも協力を求めて犯人を打ち負かしてください。亡くなる人も出るかもしれませんが、結果的には多くの人が助かります。
まとめ
テロ遭遇時などの緊急時は、命を守ることに本気になって下さい。そして、できるだけ、テロリストの攻撃から守ることができるよう、普段から身を守ることを優先して、自分を始め、家族、友人など周囲の人にも自分が学んだ危機回避の手法などを具体的に共有して下さい。
起こり続けるテロの脅威に打ち勝つのは正義の心を日頃から養い、確実に身につけることです。それは、難しいことではありません。
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