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中東呼吸器症候群(MERS)感染予防対策

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今やるべき!中東呼吸器症候群(MERS)感染予防対策(個人・企業・行政)

中東呼吸器症候群(MERS)の感染予防対策については、すでに2012年からを取られている個人、または、企業様も多いと思います。

中東呼吸器症候群(MERS)の経緯やウイルスの特性については、何度もニュースで同じ内容が報道されていますので、この防災ブログでは、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ、コロナウイルスなどの個人・企業・行政向け、感染予防法をご紹介させていただきます。

1、中東呼吸器症候群(MERS)の感染予防法
「Middle East respiratory syndrome coronavirus(MERS-CoV)

①下記の湿性の生体物資すべてから感染の危険がある
・血液
・汗以外の体液等(唾液、鼻汁、喀痰、尿、便、腹水、胸水、涙、母乳など)
・傷のある皮膚
・嘔吐物
・粘膜

②感染危険の高い場所や設備、付帯設備の継続的な消毒や感染予防管理

・すでに中東呼吸器症候群(MERS)が発生している国からの入国が行われ、または、予想される、すべての国際空港や国際港、郵便物、貨物などのターミナルの人や物の動線を絞った継続的な消毒や感染予防管理を行うこと。

③感染危険の高い場所や設備での一般人の通常行動における感染予防

自分の日々の動線に応じた、オリジナル標準感染予防策(スタンダードプレコーション)を考え、実施すること。

自分に起こりうる日常の感染経路をまずイメージしてみましょう。

誰かの鼻水、咳やクシャミによって飛び散るしぶき(飛沫)には、その人が感染しているウイルスが含まれています。

満員電車内などで、しぶき(飛沫)を直接吸い込むことにより、それに含まれるウイルスが鼻やノドの呼吸器粘膜に付着して感染が起こるのが、飛沫感染です。

また、ウイルスは飛沫感染以外に接触感染もします。ウイルスを含んだ飛沫で汚染されたものにまず手指が触れて、その手指を舐めたりして病原体が侵入する場合が接触感染です。そして、目からの感染は、飛沫感染と接触感染の双方で起こります。

飛沫感染としては、咳やくしゃみの飛沫が目にかかった時に感染する場合があると考えられています。なぜなら、鼻やノドと同様に、目も結膜など粘膜で覆われており、ウイルス感染の侵入口となります。

近年、医療従事者が患者さんの診療や検査をする際にゴーグルをしている姿をよく見るようになりましたが、これは目から入る病原体を含んだ飛沫から目の粘膜を遮蔽することが目的です。

私たちは手指で目を擦ったりすることがしばしばあり、目の粘膜は接触感染のルートにもなります。このような機序を考えれば、目からの感染は、鼻やノドを介するよりは起こる頻度としては低いのではと推測されますが注意が必要です。

2、一般的標準感染予防策(スタンダードプレコーション)

すべての人は伝播する病原体を保有していると考え、さまざまな施設や多くの人が触れるモノに接触する前後には手指衛生を行い、血液・体液・粘膜などに曝露するおそれのあるときは個人防護具を用いたり、個人防護対策を実施すること。

・社内、家庭内で「湿性の生体物資への感染が予測される場所や設備、モノ」をリスト化し、さらに使用可能の高い場所に消毒用アルコールスプレーなどを配置すると感染の可能性は減る。

・まず、利き手から口への感染予防を行うこと。どこの国でも、ほとんどのドアの取っ手は、右利き用に設計されているため、左手側のドアの取っ手は使う人が少なく、感染の危険も少ないと考えられている。要は、できるだけ人が触らないような場所を使うこと。

日頃から、エレベーターなどのボタンを押したり、ドアを押す場合は、利き手の反対側の手のさらに手の甲側のくるぶしや指関節を使うと、感染の可能性が低くなる。

・お手洗いの水流しレバー、トイレットペーパー、ドアノブ、シンクのレバー類など、湿性の生体物資への感染が予測される場合は、ウェットティッシュなどを使って、感染の予防に努める。また、携帯用のアトマイザーにアルコールなどの消毒液を入れたモノを携帯しておき、常に手指や接するモノへの消毒を癖にすると感染の危険は大幅に低減される。

・エスカレーターや階段の手すり、自動販売機のボタン、レンタカーのハンドル、水飲み場など、電車やバス、タクシーなどのつり革や掴まるすべてのものなど、「湿性の生体物資への感染が予測される場所や高頻度接触表面」を使用する際には、感染予防を行ってから利用すること。

・特にお子さまは何でも触る行動が多く、また、素手でものを食べたり、舐める行動も考えられるので、直接、接触の可能性も高い。

・花粉対策用マスクは顔に合ったマスクであれば、電車やエレベーター内などでのウイルス飛沫(咳やくしゃみなど水分を含んだ状態)の予防は
ウイルス飛沫であれば花粉用マスクでも侵入困難ですが、付着したウイルス飛沫が乾燥しウイルス核になるとマスクを浸入してくる恐れがあります。

マスクを継続的に使う場合は、ウイルス飛沫が乾燥してしまう約2時間以内にマスクの外側にアルコール消毒スプレーなどの滅菌処理を行うことをオススメ致します。

3、企業の標準予防策(SPC:スタンダードプレコーション)

手洗い・うがい・手指消毒はもちろん、高頻度接触表面施設の消毒は企業内感染対策の基本!

企業にとっての標準予防策とは、すべての人は伝播する感染病原体を保有していると考え、お客様、提供商品、および周囲の環境に接触する前後には手指衛生を行い、血液・体液・粘膜などに曝露するおそれのあるときはFFP3レベルのマスクやゴーグル、手袋などの個人防護具を用いたりして、管理監督下にある「湿性の生体物資への感染が予測される場所や施設」から感染者を出さないように努めること。

■湿性物質との接触が予想されるときに使える応急的な社内備品
・湿性物質に触るとき→手袋やないときには穴空きのないレジ袋やビニール袋でも可
・口・鼻の粘膜が汚染されそうなとき→マスク
・衣服が汚れそうなとき→大型のゴミ袋を切って使うことも可能
・飛沫が目に入りそうなとき→ゴーグルや透明クリアファイルも使用可
・顔、目、口、鼻の粘膜が汚染されそうなとき→フェイスシールド

■企業内の2次感染予防
感染者が公表され、発症している期間に行動した各場所に自社の施設が含まれている場合、企業内の2次感染予防として、感染者と接触した社員や関係者をヒアリングして、感染チェックなど、適切な処置を受ける必要があります。

通常、感染ウイルスの潜伏期間は、現在最大7日とみられていて、そのためこの症例と最後に接触したあと7日以内に出現した発熱、咳、他の呼吸器症状は関係があると見なされた社員は速やかに上司・保健サービスへ報告すべきであり、できれば、社内での報告義務制度を設けることが社会責任に繋がると思います。

■社内、施設内感染者ケアに使用したマスクなど器具の取り扱い

1)血液、体液、分泌物、排泄物などで汚染した使用済み器材は、皮膚、衣服、他の患者、環境を2次的に汚染しないよう適切に廃棄処理をする。

2)血液、体液、分泌物、排泄物などで汚染した器材を取り扱う時は、手袋やエプロンなど個人防護具を装着する。

3) 再使用可能な器材は、他の感染者ケアに安全に使用できるように、適切な洗浄・消毒・滅菌方法を選択し、確実に処理をしてから使用する。

4)使い捨ての物品は適切に廃棄する。

5)汚染された器材や環境に接触したあとは手指衛生の励行に努める。

6)湿性の生体物資、嘔吐物、血液、体液などすべてを処理する際には、処理する人自身と周りの人への感染の拡大を防止することが重要となります。速やかかつ確実に行いましょう。

①準備するもの
 手袋(使い捨てできるものが望ましい)、マスク、ビニール袋、塩素系消毒剤(市販の塩素系漂白剤)、バケツ、ビニールエプロン(使い捨てできるものが望ましい)、ペーパータオル(不要な布などでもよい)

②準備物品  

【手順1】
自分が感染しないように、マスク、手袋、ビニールエプロンをつけます。
 0.1%(1000ppm)濃度の消毒薬をつくります。市販の塩素系漂白剤の濃度は、約5%です。水道水1リットルに対して20ml(キャップ1杯弱)を混ぜます。   

③消毒液の作り方(消毒液の薄め方)

【手順2】
 作った消毒薬に、ペーパータオルを浸して軽く絞ります。湿性の生体物資が隠れるくらいに、消毒薬に浸したペーパータオルをかぶせます。その後、外側から内側に向けて、湿性の生体物資を包み込みながら拭き取り、ビニール袋に入れます。

④湿性の生体物資の拭き取り方

【手順3】
湿性の生体物資が付着していた部分とその周囲を、消毒薬に浸したペーパータオルなどで浸すように拭き取り、ビニール袋に入れます。

手袋を内側が表になるようにゆっくりと外し、ビニール袋に入れ、必ず口を縛って密閉し、ビニール袋ごと廃棄します。エプロン、マスクの順にはずし、廃棄します。流水と石鹸で、よく手を洗います。窓を開けて、よく換気します。

金属部分は腐食してしまうので、水に濡らしたペーパータオルなどで拭き、ビニール袋に入れ、廃棄します。

<注意事項>
湿性の生体物資が乾燥して空気中に舞い上がると、それを吸い込んで感染する危険があります。処理終了後は、速やかに換気するようにしてください。

湿性の生体物資を処理したあと48時間程度は、感染の有無に注意してください。塩素系漂白剤によって、カーペット等は変色する場合があります。

【手順4】
・嘔吐物が付着した衣類やシーツ、タオルなどの取り扱い
湿性の生体物資が付着した衣類やシーツは、乾燥しないようビニール袋に密閉しておきます。

・自分が感染しないよう、マスク、手袋、ビニールエプロンをつけます。衣類やシーツなどに付着した嘔吐物は、水に濡らしたペーパータオルで拭き取り、ビニール袋に入れ、必ず口を縛って密閉し、ビニール袋ごと廃棄します。

・衣類などの消毒は、次のように取り扱います。
塩素系漂白剤が使用できる衣類の場合、消毒薬に10分以上浸します。塩素系漂白剤が使用できない衣類の場合、大きな鍋に湯と衣類を入れ、1分以上沸騰させます。(85℃1分以上の加熱で十分ですが、温度計がない場合は、1分以上沸騰させましょう)

⑤リネンの消毒方法

【手順5】
 衣類などを消毒に浸したら、手袋、エプロン、マスクの順にはずして廃棄します。流水と石鹸で、よく手を洗います。消毒後、衣類は他の洗濯物と分けて、通常通り洗濯します。

<注意事項>
 熱湯で消毒する場合は、やけどに注意してください。湯が冷めてから、衣類を取り出すようにしてください。

・企業施設内環境管理
1)エレベーターのボタン、トイレのドアや各ノブ、エスカレーターや階段の手すり、その他、共使用物品や高頻度接触表面(よく触れる部分)を日常的に消毒する。
2)壁や床などの環境表面は血液や喀痰等の特別な汚染がない限り消毒は不要である。
3)床などに付着した血液・喀痰等は、手袋を着用しペーパータオルで拭き取った後にその部位をアルコール、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素によって清拭消毒する。

■リネン・洗濯(資料参照:*基準寝具・ケア物品の洗濯依頼対応)
1)血液、体液で汚染されたリネン類は皮膚との接触、衣服の汚染、他の患者や環境への汚染を予防するため、黄色のビニール袋もしくは水溶性ランドリーバッグに密封して搬送し、熱水洗濯機を使用して80℃、10 分間以上の消毒をする。
2)感染症者に使用したものは、ブルーのビニール袋に入れる。
3)汚染されたリネン類が熱処理できない場合、洗濯前に消毒処理する。

⑥感染者への心肺蘇生法について
心肺蘇生法を実施する必要がある場合については、救助者が十分な感染予防を行い、胸部圧迫だけを実施する、ポケットマスクが有る場合は、人工呼吸を行うこともできる。止血や気道内異物除去など救急処置時は、適切な感染防護用具を使用する。

⑦感染者配置
もし、ウイルス感染の疑い高い社員やお客様が社内や施設内で見つかった場合、企業内での感染者配置は感染性微生物の伝播の可能性を考慮して決定する。特に、湿性の生体物資をまき散らすような環境を汚染するような感染者、また適切な衛生環境を維持することに協力が得られない感染者は個室への収容を検討する。個室へ案内する人は、感染予防具を身につけ、使用した個室は完全消毒を行う。

4、メディア対応(風評被害予防、SNS誇大情報拡散予防)
デパート、飲食店、遊園地など、人が多く集まる事業所で、感染症者が発見、または、動線経路に関わっていた場合、具体的な経路の好評や消毒実施を行ったこと、また、普段から、継続的に日々、消毒を行っていることなどを記者発表する準備をしておくこと。また、取材の機会を活かす方法なども用意&事前練習しておくことで、メディアの力を利用させていただくこともできる。

5、情報依存や過信は禁物

急激に国際交通が発達し、海外から輸入感染症の侵入の機会が増加しています。それらの中には中東呼吸器症候群(MERS)やデング熱のようなウイルスを原因とするものがあり、これを輸入ウイルス感染症と呼ばれています。

侵入(感染)経路としてはいくつか考えられますが、2次感染者やまん延を予防するためには、早急な対策が必要になります。

防災では、「自助・共助・公助・互助」と云われますが、防犯や防感染では、「自守・共守・公守・互守」として、自分の身は自分で守ることが基本とされています。

ウイルスの場合、入国してきた人からの感染もありますが、輸入食品や生体材料等から感染するウイルス感染症(その多くは魚貝類)、また、動物から感染するウイルス感染症もあります。

普段、私たちの心は、正常性バイアスが働いた状態で、人間予期せぬ出来事に対して、ある程度「鈍感」にできているようです。

理由は、日々の生活の中で生じる予期せぬ変化や新しい事象に、心が過剰に反応して疲弊しないために必要なはたらきで、ある程度の限界までは、正常の範囲として処理する心のメカニズムが備わっていると考えられています。

自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価したりしてしまい、「感染者になってしまった」人も居ます。

正常性バイアスは「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも云われますが、人の生命に関わる内容の報道記事などは、部分否定、部分肯定できる尺度判定、また、いざというときの行動の優先順位を普段から状況シュミレーションし、習慣化することも大切な「自助、および、自守」の基礎となります。

また、報道記事の読み方、とらえ方、分析の仕方も大切で、特に自分が公に表現する際には、風評被害とならないように十分な配慮が必要だと思います。

出典:

■↓中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers_qa.html

■↓各地の感染症情報へのリンク(国内)
http://www.chieiken.gr.jp/kansenjoho/klink.html

■↓ノロウィルス対策~嘔吐物の処理について~
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-infect/file/ictmon/ictmon137.pdf