NaCTSO 国立テロリズム対策セキュリティーオフィス
NaCTSOガイダンス・ノート2015年1月
テロ対策資料01
■↓NaCTSOガイダンス・ノート2015年1月の日本語訳はこちら:
https://irescue.jp/NaCTSO_1-4.pdf
It’s a split decision that could save your life in a terror attack — do you run away, or play dead? What to do in the event of a terror attack that could save your life: http://cnn.it/1I3j1FC
Posted by CNN on 2015年11月20日
ダイナミック・ロックダウン(動的封鎖)手順の構築
このノートは、テロリストによる銃器・武器による攻撃が直接もしくは近辺であった場合、早いスピードで変化する状況に対応するため、現場をダイナミック・ロックダウンする手順の構築方法を記している。UKにおいて広範囲にわたる事件などの場合は、規範的なアドバイスでは対応しきれないが、このガイダンスでは、ほとんどのテロ事件で適用できる留意点を説明している。
ダイナミック・ロックダウンとは?
ダイナミック・ロックダウンとは、テロリストによる外的もしくは内的な脅威に対応するため、物理的な方法で、迅速に現場またはその建物(もしくはその一部)へのアクセスを制限したり、そこから退避すること。ロックダウンの目的は、人々を危険エリアに入らせないようにすること、そしてテロリストなどの攻撃者が現場(もしくはその一部)に侵入できないようにする、または侵入しにくくすることである。現場の特性によっては、物理的にテロリストのロックダウンがおこなえない事もある。
ダイナミック・ロックダウンの構築はなぜ必要か
多くの場合、テロリストはテロ予定地の偵察など、ある程度の計画を立てている。テロ攻撃の計画段階においても、その脅威を見抜き、阻止するチャンスを逃さないようにしなければならない。目に見える形で効果的な行動をすることで、強固なセキュリティ体制である事を示せる。例えば、スタッフの意識や報告プロセスが十分なものであったり、CCTV(防犯・監視カメラ)を効果的に使ったり、通信妨害や、テロを予防するための強固な安全ゾーンを設けることなどが挙げられる。
テロ攻撃を阻止する事ができなかったとしても、ダイナミック・ロックダウンにより、テロリストの動きを遅らせ、テロリストをいらつかせることで、テロによる負傷者数を抑えることができる。
テロ現場をロックダウンするために何が必要かをしっかりと計画すること、また、それらのテロ対応計画が臨機応変なものでなければならないと認識しておくことが、人々の命を守ることにつながる。
テロ対応計画に際して以下を考慮する:
- 完全または一部のロックダウンを効果的におこなうにはどうするか。
- 何が起こっているか人々に知らせるにはどうするか。
- スタッフのトレーニング
- 安全確保の原則
「安全確保」は短い動画で、銃器または武器によるテロ攻撃の際、人々がとるべき行動をまとめたもので、重要なメッセージでもある、走る⇒隠れる⇒伝える(付録Aを参照)についても言及している。
ダイナミック・ロックダウンをおこなうには
- テロ対策計画を構築する際、現場において、誰でも立入れるエリアとプライベートエリアへの侵入経路と侵入を阻止するポイントを把握する。侵入ポイントは、ドアや門だけではないことを頭に入れておく。
- 迅速かつ物理的に侵入/阻止ポイントを安全に守る方法を考える。
- 特定のエリアをロックダウンできるよう、どのように区域分けをするかを考える。
- スタッフの役割と責任を計画の中に盛り込んでおく。
- 効率的に行動できるよう、そして責任意識を持てるよう、スタッフをトレーニングしておく。
- 現場から人が立ち去らないよう、もしくは人が入らないようにすること。人々を危険から遠ざけるよう指示すること。
- 攻撃者を一階に戻さないため、エレベーターを停止することを考慮に入れる。
- 臨機応変に対応でき、安全な場所に待機、避難できるプロセスであること。
何が起こっているかを人々に知らせるには
現場の特性や占拠状況によって、以下のような選択肢がある。
- 放送システム
- 既存の内部メッセージシステム:テキストメッセージ、E-mail、スタッフ用の電話など。
- ポップアップメッセージを従業員のパソコンや内部メッセージ・システムで表示。
- ロックダウン警報音
- 口伝え
テロリストにより占拠されている場所が複数である場合は、社内すべての通信手段を考慮にいれる必要がある。同様に、近隣の企業と協力することで、状況認識に役立つだけでなく、通信ラインの確保もできる。
注記: テロ事件に対応する際、状況を悪化させるリスクを減らすため銃器は使用しないようにする。
スタッフのトレーニング
ロックダウンが必要な事件は、速いスピードで状況変化するため、スタッフ全員が迅速かつ効率的に行動することが求められる。
- 「安全確保」(付録A参照)の原則を元に、スタッフ全員をトレーニングする。
- スタッフそれぞれに何が求められているか、役割、責任をしっかりと把握させておくこと。
- スタッフが理解しているか確認すること。
- スタッフと共に定期的にテストしたり、訓練すること。
- トレーニング内容を定期的に変えること。
その他のアドバイスやガイダンスについては、NaCTSOウェブサイトwww.nactso.gov.ukを参照。
安全確保
テロリストによる銃器および武器による攻撃
「安全確保」の原則(走る、隠れる、伝える)とは、テロリストによる銃器および武器による攻撃が起こった際、事件発生時にとるべき簡単な行動と、武装警官が知っておくべき情報である。ガイダンスの詳細すべてについては、NaCTSOウェブサイトhttps://www.gov.uk/government/publications/recognising-the-terrorist-threatを参照。
RUN走る(逃げる)
- 可能であれば逃げる。
- 一番安全な選択肢を考える。
- 安全なルートはあるか。走ることができなければ、隠れる。
- 危険に身をさらすことなく、安全な場所にたどりつけるか。
- 他の人も一緒に退避するよう指示する。
- 持ち物はその場に置いて逃げる。
HIDE隠れる
- 走ることができなければ、隠れる。
- 銃弾から身を守れるものを探す。
- 攻撃者が見える場合は、攻撃者からも自分が見えているおそれがある。
- 見えない場所に隠れたとしても必ずしも安全ではない。銃弾は、ガラス、煉瓦、木材や金属も貫通する。
- 銃弾から身を守れるものの陰に隠れる。例: 頑丈な煉瓦づくりの陰/強固な壁など
- 出口を把握しておく。
- 閉じ込められないようにする。
- 静かにする。電話の着信音を消す。
- 施錠/バリケードを作ることで身を守る。
- ドアから離れる。
TELL伝える
警察に電話する:警察は何を知りたいか
- 場所: 容疑者はどこにいるか。
- 方角: 容疑者を最後に見たのはどこか。
- 描写: 攻撃者の容姿、数、特徴、服装、武器など。
- その他の情報: 負傷しているか、負傷のタイプ、建物の情報、入口、出口、人質など。
- 他の人が建物に入らないようにする(そのほうが安全な場合)。
武装警官の対応
- 警察の指示に従う。
- 落ち着く。
- 安全なエリアに移動できるか?
- 急に動くことは避ける。危険な存在とみなされることがある。
- 両手を見える場所に置いておく。
警官がとるかもしれない行動:
- あなたに銃を向ける。
- あなたに対して、厳しい態度をとる。
- あなたに質問をする。
- あなたをテロリストの仲間と間違える。
- 安全だと判断されれば、警官はあなたを避難させる。
安全確保が必要
- 事件が起こった場合の計画として、あなたは何をするか。
- 地域での計画は?例: 個人の緊急避難計画
自分自身、スタッフ、ビジネス、コミュニティーを守る
日本国内における、具体的なテロリスト対応計画、ダイナミック・ロックダウン対策について、詳しい情報を得たい方は、info@irescue.jp、03-6432-1171、または、下記のフォームから、お問い合わせください。