公衆が集まる場所で銃撃や刃物による殺傷事件が起こった際、生き延びるには?
銃乱射事件に巻き込まれることは、滅多に無いことですが、公衆が集まる場所での殺傷事件は、ここ数年で大幅に増えています。危機的状況では、びっくりしたり、混乱したり、圧倒されることも多いでしょうが、このような状況で危険を感じたら、どのように行動すべきか本気で知っておくと、自分や周囲の人の生存率を上げることができます。
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手段1: 状況を見極める
1.冷静でいてください。
公衆が集まる場所で銃乱射が起きるなどの緊急事態では、パニックになるのは当たり前です。しかし、人はパニックに陥ると、感情的になり、冷静に考える事ができなくなります。緊急事態に冷静でいることは、不可能のようにも思えますが、平静を保つために、以下をおこなってください。
息をすることに集中してください。3つ数えながら息を吸い、3つ数えたら息をとめます。そして、また3つ数えて息を吐きます。安全な場所に移動する間、このように息をすると良いでしょう(すべきでしょう)。自分の息をコントロールする事で、過呼吸や早まった決断を防ぐことができます。
2.他の人にも警告してください。
銃乱射がおこっていると気付いたら、近くにいる人にも、その事を伝えましょう。事件が起こっていることに気づかない人達もいるし、恐怖で動けなくなる人もいます。周りの人に、銃乱射事件が起こっているので、逃げたり隠れたりするように伝えてください。
3.計画しておきましょう。
緊急時に、どのように行動するか、しっかりとした計画を持っておくことが重要です。トレーニングや、準備をしておくことで、安全な場所に逃げやすくなります。しかし、ここで覚えておいて欲しいことは、常に代替計画も考えておいて欲しいということです。第1の計画に沿えない場合は、代替計画に切り替えることができるかどうかを評価しておきましょう。
4.走って逃げる心づもりをしておきましょう。
緊急時には緊張から動けなくなってしまう人も多いです。銃撃犯が、銃撃を続けている場合は、じっとして隠れていたいという気になるかもしれません。しかし、安全に逃げ出すことができない場合のみ、隠れるという手段を取るよう、専門家もアドバイスしています。銃撃犯から安全な距離を保って、逃げ出すルートがあれば、じっとしていたいという気持ちを振り払い、安全な範囲で、自らを奮い立たせて走ってください。
手段2: 安全な場所まで走って逃げる
1.自分の動きを思い描いてください。
逃避ルートを計画すること、そして自分の周りの状況を把握することは大切です。もし、銃撃犯があなたや、他の人を待ち伏せしていそうな場所が、逃避ルート沿いにあるならば、その場所を認識し、もし銃撃犯が本当に待ち伏せしていたら、どのように対処するかを考えましょう。
銃撃犯の多くは、無作為でターゲットを狙います。銃撃犯から見えにくい、または撃たれにくければにくいほど、安全度は高くなります。ですから、理性的に行動し、銃撃犯の視野に入らないようにしましょう。
銃撃犯の近くにいる場合は、隠れることができ(銃撃犯の視野に入らない)、そして銃弾から身を守れるルートを探してください。
2.可能であれば、逃げ出してください。
銃撃犯が近くにいる場合は、怖いと感じても、動き続けて、できるだけ現場や犯人から遠ざかることが大切です。何が起こっているのかを見たり知ろうとして、その場にとどまるのではなく、できるだけ犯人から離れるよう努力してください。こうする事で、犯人が、あなたを撃ちにくくなり、無作為に撃った弾にも当たりにくくなります。
但し、犯人があなたに気づいていない時、大勢の中にいる時、または遠くで銃声が聞こえるけれども、犯人の姿は見えない場合にだけ、このルールは通用すると理解しておいてください。
自分自身を危険に晒すことがない範囲で、他の人も助けてください。
他の人が、その場にとどまると主張しても、逃げてください。逃げている間に会った人達にも、自分と一緒に逃げるよう促してください。但し、他の人が逃げようかどうしようか迷っていても、その決断を待たずに自分は逃げてください。自らが一番に率先して逃げる事が重要です。
3.持ち物は、その場に置いて逃げてください。
一番大切なものは、自分の命であり、電話やその他の物ではありません。何かを持って逃げようとすることで、逃げ遅れないようにしてください。誰かが、自分の持ち物を集めてから逃げようとしていたら、持ち物は置いて逃げるよう伝えてください。
4.どんな出口であろうと、思い切って利用してください。
逃げ出せる出口は何でも構いません。例えば、非常口、非常用の脱出窓などでも構いません。レストラン、映画館、その他の公共施設には、スタッフ用のドアや出口が(倉庫やキッチンなど)あるはずです。可能であれば、そのような出口を探して利用してください。
5.緊急サービスに電話してください。
無事、危険な状況から脱出できたら、警察に電話してください。もし、電話が無い場合は、電話を持っている人を探して、警察に電話してください。
一旦、外に出たら、現場となっているビルからできるだけ離れてください。
通行人や他の人が現場に入らないようにしてください。ビルの外にいる人に、ビル内で何が起こっているかを伝え、できるだけビルから離れるよう伝えてください。
手段3: 犯人から隠れる
1.隠れ場所を見つけてください。
あなたの方向に銃弾が飛んできても、身を守ることができ、犯人からも見えないような場所を選んでください。理想としては、閉じ込められても犯人の標的になるような隠れ場所を選ばないことです。必要な時に、動けるような適度なスペースがあり、逃げ出せるような場所が、隠れ場所としては理想的です。
隠れ場所は迅速に決めてください。できるだけ早く、隠れ場所のドアを閉めましょう。
施錠できるドアがある部屋が見つからない場合は、コピー機や書類棚など、自分の体を隠すことができる物の後ろに隠れてください。
2.静かにしてください。
ライトは消し、静かにしてください。携帯電話の着信音とバイブレーションの両方を切ってください。咳やくしゃみなどもしないようにしましょう。また、あなたの近くに隠れている他の人にも話しかけないようにしてください。
隠れている時に、絶対に避けたいことは、あなたの存在を銃撃犯に気付かれる事です。
警察に連絡したくなるかもしれませんが、電話はしないでください。現場が、レストランや学校など多くの人が集まる場所ならば、既に逃げ出した人や、銃声を聞いた人が警察に通報してくれているはずです。
3.隠れている場所をブロックしてください。
部屋の中に隠れている場合は、ドアをロックしてから、キャビネットやソファ等、何か重い物でドアをブロックしてください。できるだけ、銃撃犯が部屋に入ってこられないようにしましょう。
銃撃犯が部屋に入ってこないようにすることで、安全を確保でき、時間も稼げます。あなたか、誰か他の人が警察に電話しているならば、警察は数分後に対応してくれるはずです。2分でも3分でも稼ぐことが、緊急時には重要です。
4.姿勢を低くし、地面に体を平行にしてください。
床にうつ伏せになり、腕は頭の近くに(手で頭を隠すようなことはしない)にしてください。このようにうつ伏せになることで、内蔵を守ることができます。また、もし銃撃者が近くにきても、この体位でいれば、既に死んでいると勘違いするかもしれません。そして、地面近くで体を低くしておけば、銃弾にあたるリスクも低減できます。
ドアから離れておきましょう。銃撃犯によっては、中に入ろうとしたり、ドアの鍵を壊したりするのではなく、施錠したドアごと、中にいる人を撃とうとする者もいます。銃弾は、ドアを貫通するので、ドア付近からは離れておきましょう。
手段4: 犯人と戦う
1.最後の手段として戦ってください。
安全に避難でき、犯人から隠れることができるならば、銃撃犯と戦おうとしないでください。戦うのは、最後の手段にすべきですが、戦わなければならない状況になったら、生き延びるために必死になって戦ってください。
2.武器として使えるものを探してください。
銃撃犯を叩いたり、攻撃できるような物を探してください。例えば、椅子、消火器、熱いコーヒーが入ったポットなどでも良いでしょう。ほとんどの人は、武器を持ち歩いてはいないので、周りにあるものを使って、臨機応変に対応してください。自分の目の前にあるものを掴んで銃弾をよけたり、近くの物を犯人に投げつけるのも良いでしょう。
はさみやレター・オープナーもナイフとして使用できます。ペンでも、自分の親指の手のひら側で強く押し出すことにより、武器として使えます。
近くに消火器があれば、それを掴み、銃撃者の顔をめがけて、消火器を吹きつけたり、銃撃者の頭を消火器で殴ることもできます。
3.銃撃者を取り押さえてください。
もし、命の危険を感じたら、最後の手段として反撃に出ましょう。逃げたり、隠れたりできない場合は、1人、または他の人と一緒に戦ってください。銃撃者の力をそぐため、銃を手から離させたり、倒すような方法を模索してください。
自分を手伝うよう、他の人に頼みましょう。グループとして動くと、単独犯よりも優位に立つことができます。
4.攻撃的になってください。
銃撃犯が近くにいて、自分の命が危険にさらされている場合は、武器を取り上げるよう再度試みてください。どのように攻撃するにしても、銃撃者の武器を取り上げたり、無力にさせることに集中して、すばやく動くことが重要です。
銃撃者がライフルを持っている場合、犯人を蹴ったり殴ったりすると同時に、銃身を掴み銃口を自分以外の方向に向けましょう。銃撃者は、武器を再度コントロールできるようにしようと反抗するでしょうが、あなたも、その動きに従えば、犯人は不意をつかれたようになりバランスを失います。ライフルの後ろ側を掴むことができれば、ライフルの両側を掴んだことになるので、掴んだライフルを利用して、更にキックしたり、犯人を押したりできるはずです。
犯人がピストルを持っているようならば、上側から銃身を掴み、あなたのほうに銃口を向けられないようにしましょう。多くのピストルのモデルは、上側から掴むと、発砲できない仕組みになっています。
銃撃犯に襲いかかる時には、体の上部分を狙うことです。発砲している時には、犯人の手や、持っている武器が一番の急所となります。それ以外の場合は、目、顔、肩、首を狙いましょう。
5.ひるまないでください。
いくら怖くても(特に、ほうきぐらいしか武器になるものが無く、犯人は殺傷能力の高いライフルを持っていると知っていても)、犯人の手からライフルを取り上げて倒すことだけに集中してください。犯人が狙おうとしているあなたの命や他の人の命のことを考えましょう。
何をあなた自身が本能的に戦おうとする反応が出て、何がなんでも、警戒して生き延びようとする力が出てくるはずです。
手段5: 救助される
1.落ち着いてください。
危険から逃れることができたら、大きく息をしてください。トラウマによる無感覚、パニックやショックなどを起こす恐れがあるので、まずは集中して自分の息を整えましょう。
話ができるようになったら、家族や愛する人に電話して、無事を伝えましょう。
2.常に両手を見える場所に置いておきましょう。
警察の最初の仕事は、銃撃犯を止めることなので、建物や現場となった公共の場所から逃れた時には、常に両手を見えるようにし、武器を持っていないことを示してください。銃撃者が被害者を装うこともあるので、警察は、まずは全員を疑うよう訓練されています。
3.指をさしたり、叫んだりしないでください。
警察には、公共の場所での銃撃事件にどのように対応するかを示した特別なガイドラインがあります。感情が高ぶっているでしょうが、警察を混乱させたり、邪魔をしたりせず、任務に集中させてあげるましょう。任務を効率的に遂行させてあげることで、銃撃犯を捕らえることができるのです。
4.怪我の手当てをしてくれる人は、後から来ます。
警察は、銃撃犯を探し出し、銃撃をやめさせるよう訓練を受けており、これが彼らの主な任務です。ですから、警察は立ち止まって、怪我をしている人の手当てはしません。しかし、心配しなくても事件で銃弾を受けた人や、怪我をしている人の治療にあたる医療救急隊には、すでに連絡がとられているはずです。
もし、銃で撃たれているならば、ゆっくり息をしてください。こうする事で、ショック状態になることを防ぎ、出血のスピードを遅らせることができます。医療救護を受けられるまで、傷口を手や布で覆い、圧をかけて押さえ、止血してください。
Q&A
Q: もし、怪我をしている時、こちらからは銃撃犯が見えるけれど、犯人から私が見えない状況にいるとき、どうしたら良いですか?
A: 死んだふりをしてください。既に死んでいると思われる人のために、銃弾を無駄にすることはないはずです。
Q: もし、迷ってしまい、誰も知り合いがいない状況で、おまけに自分が子供だったら、どうなりますか?
A: もし可能であれば、逃げるか、隠れてください。既に逃げ出している場合は、帰宅するか、近くの公共施設(店、図書館など)に逃げ込み、そこで働いている人に助けを求めてください。そこで、両親に電話をかけてもらうこともできるでしょうし、もし、電話番号を知らない場合は、警察に電話して帰宅できるようにしてもらいましょう。
Q: 複数の銃撃犯に会ったら、どうしたら良いですか?
A: 犯人達の銃弾がとんでこない場所に逃げ、前述の記事を基本に行動してください。銃撃犯たちが近くに見えている場合は、彼らが立ち去るまで死んだふりをしてください。そして、彼らが行ってしまったら、走って逃げましょう。他の人を助けることは考えず、とにかく走りましょう。
TIPS (ヒント)
・銃撃事件に対応するための手順を把握しておきましょう。多くの学校、職場等は、銃撃に際してのプロトコルを設定しており、学生や従業員の訓練もおこなっています。これらをロックダウン手順と言います。
・公衆のいる場所での銃撃では、犠牲者はランダムに選ばれていることが多いです。このような場所での銃撃は、予測不能な上、非常に速いスピードで事が進みます。犯人が見えにくい場所にいればいるほど、より安全と言えます。
・銃撃事件に際して、警察は数分の間に対応することを知っておいてください。また、銃乱射事件は、10-15分で片がつきます。
下記も参考にしていただけると幸いです。
■↓テロから“命を守る方法” アメリカのマニュアル・教育に学ぶ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160614-00010000-riskts-soci
まとめ
実際にこのような事件に遭遇する可能性は希かもしれませんが、今、この瞬間に世界のどこかで起こっていることは事実です。どうぞ、真剣に捉えて、実力も身につけてください。
海外に支社を持つ企業の総務担当者の方で、自社社員を守るためにテロ対策、海賊対策、人質・拉致対策、要人保護対策などを真剣に準備する必要がある場合は、上記のような一般的な内容では不足です。
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一般社団法人 日本防災教育訓練センター
代表理事 サニー カミヤ
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